このページでは、各講義の講師の方々のご紹介と講義名およびシラバス、また受講者の方々へのメッセージを掲載しております。

11月3日 11:55-12:40

Instructor:講師: Maher John C.

Born: Yorkshire, England.
Educated: London, Edinburgh, Michigan
Position: Professor of Linguistics, Chair of Divison of International Studies

Title:題名: Italian is Passionate, German is Ugly, Japanese Deceptive: language myths for cultural propaganda and War.

Think of a language or a local dialect and you will quickly conjure up a stereotype. We do it all the time. We can't help it. Which is the more 'sophisticated' speech? Kyoto Japanese or Osaka Japanese? It's Osaka-dialect. Right? A stupid question which 1000 Japanese students in a survey described here claim they know the answer.

Language myths can be:
(a) Never-ending: British English is more correct than American English"
(b) Dangerous: "Women talk too much"
(c) Irritating over-simplifications: "Chinese is harder to learn than Japanese",
(e) Illogical: "French is more logical than Japanese".

Some myths are harmless. This lecture will mention how some language myths are dangerous and ruthlessly employed in state propaganda for trade wars and culture wars.

in Japanese:

イタリア語は情熱的、ドイツ語は堅苦しくて日本語はあいまい??:文化プロパガンダにおける言語神話

何か「あの国の言葉ってこういうイメージ」というような、言語や方言の「ステレオタイプ」を思いつくだろうか?私たちは、こういうイメージをしばしば使っている。毎日の生活の中では、避けられないといってよいくらいだ。京都弁と大阪弁とどちらが「上品」だろう?今日の講義では、全国約1000人の学生に言語に関する意識調査をした結果を紹介したい。京都弁と大阪弁のどちらが上品かなんて決まっているじゃないか、何でこんな質問をするんだろう?というような学生たちの意識がこの調査結果には表れている。言語に関する「神話」というのは、

(a) 終わりがない:イギリス英語はアメリカ英語より正しくて、アメリカ英語はオーストラリア英語より正しくてオーストラリア英語はシンガポール英語より正しくて・・・・
(b) 危険な決め付けを含む:女はしゃべりすぎ!
(c) 単純化しすぎ:日本語より中国語の方が習得しにくい
(d) 非論理的:フランス語の方が日本語より論理的(日本語で論理的な話はできないだろうか?)

「神話」のすべてが実害を伴うものではない。しかし、貿易「戦争」とか文化「戦争」のような場では、言語神話が大きな危険をもたらすことがある。講義では、このような点について考えてみたい。

11月4日 15:30-16:20

Instructor:講師: 最上 敏樹

 1950年北海道生まれの東京下町っ子。国際法・国際機構論専攻
(今回もなるべくこの専攻にからんだ話をします)。
 1980年から今日まで、ICUで国際法・国際機構論・平和研究 を教えています。著書に「いま平和とは」(岩波新書)、「国連とアメ リカ」(同)、「人道的介入」(同)、「国際機構論・第2版」(東京 大学出版会)、「国境なき平和に」(みすず書房)ほか多数。
東京大学法学部・同大学院卒

Title:題名: 人道と平和 ー 世界との向きあい方について

平和を単に理想として語るのではなく、学問として語るにはどうすれ ばよいのかを考えます。

その際のキーワードの一つが「人道」。「国際人道法」とか「人道的救援」とか「人道的介入」とか、いろいろありますが、ともかくこれを キーワードに考えていけば何かしら現代の平和のヒントはあるらしい、 ということは分かってきます。

 理想を語るだけではない、大学レベルの学問としての平和論を語り、 それにより世界に向き合う方法を考えたいと思います。

Message to students:受講者へのメッセージ

「平和などただの理想論だ」と考えている方、「そういう七面倒くさ い議論はやりたくない」という方こそ、ぜひいらして下さい。平和の実 現というものは本当に難しいもので、「ただの理想論だ」と考えている 人からは「ただの理想論でない平和論」のヒントを出してほしいし、 けっして「七面倒くさい」のではなく「思わず考えたくなってしまう」 問題なのだと分かってほしいのです。

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